お店で買い物をするたびに渡されていた、紙のレシートとカードの控え。
フランスでは、それが2023年8月1日より原則的に廃止されました。
★新しい措置の内容
経済・財務省の説明(↓)を要約すると、
https://www.economie.gouv.fr/ticket-caisse-obligation-professionnels-reglementation-consommateurs#
レシート発行を制限する理由は、
●年間125億枚(!)発行されるレシートをなくすことで、ゴミを減らすため
●印刷したレシートに含まれる有害な物質から、国民の健康を守るため
この措置によって何がどうなるかというと、
「今までのように、紙に印刷したレシートを無条件に配布するのをやめ、要望があった場合だけ印刷するようにする」
つまり、レシートそのものが廃止されるわけではなくて、「希望制」になるということですね。
例外は、
●(家電製品などの)保証内容・期間を記載したもの
●計量が必要な製品
●25€以上のサービス、ホテル・レストラン
●カード決済の取り消しやエラーの控え
●高速や駐車場など機械が発行するもの
ちなみに
「レシートの要望を伝えるのは消費者側の役目であって、お店側は、顧客にレシートがいる・いらないを尋ねる義務はない」
とのことです! フランスらしい。
とはいえ、今のところは対面レジであればだいたい、「レシートいりますか?」と聞かれます。
セルフレジであれば「レシートを印刷しますか?」という画面が出てきます。
そこでレシートを断れば、確かにゴミは減ります。
★ちょっと困ること
しかし、何も考えずにレシートを断ってしまうと、あとで困ったことになるかもしれません。
なぜなら、
●交換・返品にレシートが必要なのは変わらない
●メールでレシートを送付するサービスは、まだあまり普及していない
からです。
(ついでに、仮に万引きを疑われた場合に、レシートなしでどうやって身の潔白を証明するんだ?という疑問も)
そのため今度からは、
1)レシートをもらう(相手から尋ねられなければ、こちらから要求する)
2)もらわない
という判断を慎重に下さなくてはならないわけです。
日用品・食料品を買うだけなら、まあ、いいんです。
セルフレジなら、最後に画面をしっかりチェックすればOK。
対面レジなら、小さい画面に次々表示される値段と内容をチェックしながら、商品をエコバッグにすばやく詰めるという神業を実行します(難しいけど)。
それでも、帰宅してから問題に気づいたら……という不安は少しありますが。
一方、洋服や少し高い商品、(スーパーの棚に並んでいても)保証期間があるような商品は忘れずにレシートをもらわなくてはいけません。相手が尋ねなくても!
なんだか考えることが増えて大変になるような……?
フランスでお買い物をされる方は、気をつけてみてください。