フランスでは2024年1月1日から、企業だけでなく個人・一般家庭でも生ゴミを分別し、専用のゴミ箱へ捨てたり、堆肥化したりするのが義務になりました。
生ゴミ(biodéchets)、つまり食品廃棄物とは、野菜くずや食べ残しのこと。いくらゼロウェイストに努めていても、ある程度は出てきます。
今まで、一般家庭では生ゴミを「普通ゴミ」として出せばよかったのですが、今年から、捨て方が変わったわけです。
★分別回収の理由
生ゴミは水分を多く含むので、焼却するには多くのエネルギーが必要です。
ヘタに埋め立てれば、二酸化炭素より強力な温暖化ガスであるメタンガスが発生します。
一方、生ゴミを分けて回収すれば余計な炭素排出量を減らすことができ、さらに管理した形で生ゴミからバイオガスを生産すれば、発電その他に有効利用できるというわけ。
★分別回収の方法
そこで、パリの場合は去年ごろから、市場のそばや街角に、生ゴミ専用のゴミ箱が出現しました。
(一部の区では、数年前から実験的に建物ごとに生ゴミ専用ゴミ箱での回収が行われていましたが、これは廃止されたもよう……)
この中に、コンポスト可のビニール袋に入れた生ゴミを捨てるというしくみ。
コンポスト用ゴミ袋は、買うこともできますが、スーパーによっては青果売り場に野菜・果物を入れる用に置かれているので、それを使ってもOK。
★実際は……
口で言うと簡単なことですが、実際は難航している印象です。
●周知・教育が徹底していない。知らない人・無関心な人が多い。
●生ゴミ専用ゴミ箱がまだ少ない。うちの場合はたまたま徒歩5分以内にありますが、出かける方向が違ったりすると、「わざわざ生ゴミを捨てに遠回り」する羽目になります。「わざわざ」を嫌がるフランス人多数!
●コンポスト用ゴミ袋の使い勝手が悪い。ふにゃふにゃして頼りないんですよね。すぐ破れちゃいます。
というわけで、うまく定着するにはまだ時間がかかりそうな雰囲気。
今は寒いので臭いませんが、夏どうなるかも興味深い(というか心配な)ところです。
パリ・オリンピックを見に来た世界各国の人たちは、メトロの駅でオシッコ臭さに辟易し(正直クサイですよ)、街を歩いたら生ゴミ臭にノックアウトされるかもしれません。パリ、素敵すぎる……。
参考:
https://www.gouvernement.fr/actualite/le-tri-des-dechets-alimentaires-generalise-au-31-decembre-2023