【クリスマス・プレゼントのゆくえ】フランス人の半数が「不要なプレゼントは売る」

パリでのくらし

★クリスマスの伝統「プレゼント交換」

フランスで典型的なクリスマスといえば、ふだん離れている家族が集まって豪華な食事とプレゼント交換をするというもの。原則として参加者は一人一人にプレゼントを用意します。

★もらったプレゼントが不要なら

すると、どうしても的を外したプレゼントをもらったり、そもそも必要ないものを大量にもらう羽目になることもあるわけです。
かつてはせっかくもらったプレゼントを手放すなんてタブーだったようですが、昨今では交換、返品、転売があたり前になってきました。
フランス人の2人に1人は「気に入らないプレゼントは売ってもよい」と考え、3人に1人がそんな行動も「理解できる」と考えているそうです(https://www.tf1info.fr/conso/revendre-ou-echanger-ses-cadeaux-de-noel-mode-d-emploi-2278891.html)。

もちろん、サイズが合わない、同じものをもっていた、などの理由で、交換やお買物券との引き換えに応じるお店は前からありました。クリスマスに限らず、お誕生日でも、そういうことはありますしね。

けれども、最近ではクリスマスの翌日からフリマサイトにプレゼントが大量に出回るのだとか。

ある意味では合理的ですが、それでもものすごいムダな気がします。
プレゼントを選んで買うためのエネルギーと、それを処分するためのエネルギー。贈る側の善意と、受け取った側の良心の呵責。

じゃあ、プレゼント交換そのものをやめれば? と言いたいところですが、伝統はそう簡単にはひっくり返せないのでしょうね。
親しい友人どうしだと、「ムダだから/環境に悪いから、すっぱりやめよう」と合意できる場合もありますが、いつもそう単純に割り切れるわけではない事情が、プレゼント転売の事実に表れているのだと思います。

★簡素にくらすために

個人的には、さいわい「伝統的なクリスマス」とは無縁の生活をしているので、「ムダなプレゼントを買う・もらう」作業にエネルギーを費やすことはありません。
「フランスに暮らしているのだから」という理由で、フランスの伝統を取り入れる選択肢もありましたが、そうしないで本当によかった(笑)。

本物のモミの木を買ってきて飾る習慣も、子供が小さかった頃に数回試してやめました(木のムダづかい、葉が落ちるので掃除が大変、買ってくるのも重い、捨てるには回収場所まで運ばなければならない…と不都合が山盛り)。

クリスマスの伝統的な食事もあっさり無視です(高いうえに、こってり重い、好みじゃない……とこれまた家族の誰も喜ばない)。

けっきょく結論は、「伝統を言い訳にしたムダは省くべし」です。心理的に、経済的に負担になることを無理に続けても苦しいだけ。いらないものはそぎ落として、軽やかに生きたいです。

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